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トニー滝谷


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トニー滝谷
2004年/日本映画/35mm/75分/カラー
イッセー尾形・宮沢りえ・西島秀俊
音楽:坂本龍一 監督:市川 準 原作:村上 春樹


太平洋戦争の始まる少し前、トニーの父親、滝谷省三郎はちょっとした面倒を起こして、中国に渡った。日中戦争から真珠湾攻撃、そして原爆投下へと至る激動の時代を、彼は上海のナイトクラブで、気楽にトロンボーンを吹いて過ごした。彼がげっそりと痩せこけて帰国したのは、昭和21年の春だった。彼の名は滝谷省三郎、彼が結婚したその翌年にトニーが生まれた。そしてトニーが生まれた三日後に母親は死んだ。あっという間に彼女は死んで、あっという間に焼かれてしまった。孤独な幼少期をおくり、やがて美大で地に足の着かない“芸術”を学ぶトニー。目の前にある物体を一寸の狂いもなく、細部に至るまで正確に写生するトニー。女学生「うまいんだけど、体温が感じられないのよね」体温? それらはトニーにとってただ未熟で醜く、不正確なだけだ。数年後、デザイン会社へと就職し、そして独立しイラストレーターとして自宅のアトリエで仕事をこなすようになトニー。彼の家には様々な出版社の編集部員が出入りしていた。小沼英子も、そんな編集部員のひとりだった。そしてトニーの人生の孤独な時期は終了し、やがて新たな生活と共に幸せの中に浸れるようになった。
トニー「…なんというか、服を着るために生まれてきたような人なんだ」
父「それはいい」
しかし一つだけ、トニーには気になることがあった。それは妻が、あまりにも多くの服を買いすぎることだった…。


1.空白で占められた画面2.高台の空き地に建てられたセット3.登場人物の少なさ4.脱色処理を施した色調の浅さがこの映画の世界だ。

淡々とした現実生活の描写にも関わらず、地面のすこし上を浮遊するような物語のテイストは、原作の持つ’空虚な移ろい’を実に見事に映像化していて、その一時的な空間の美意識に否応なしに釘付けになる(シンプルが故に)。

調和の取れた音楽やキャスティングも、その一番根っこにあるものはトニー滝谷というキャラクターへの愛情と優しさである。この映画はハダカである。孤独というものの正体をさらけ出すのである。



















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